こちらの熊野権現社は、JR唐津線多久駅の南南西およそ1.5kmの距離、佐賀県多久市多久町宮ノ浦地区に鎮座されます。
国道203号線の荕原()交差点から南に、県道24号武雄多久線を1kmほど行くと右側に集落に繋がる側道があり、その側道にある宮ノ浦バス停の西方300mほどの小山の上に位置しています。
民家の間を抜けて田圃の中の農道を行くと、麓の参道入口に幟杭と比較的新しい明神鳥居が奉納されており、山道の参道を上がった先に切妻造り平入の開放的な拝殿と妻入りの本殿覆屋が建立されています。
多久市史によると、昔は多久町石州分に鎮座する大社であったと伝えられていたとあり、牛や馬に乗って通ると落ちてしまうほど険しかったということから、こちらの宮ノ浦に移されたとあります。
御祭神は熊野本宮の神(家津御子大神、天神地祇13柱)との記述があり、1691年には存在していたということですがそれ以上のことは不明です。
社殿の裏が山ということもあり、大雨の時には土砂崩れの恐れがあるのかブルーシートが掛けられており、境内脇には先代の鳥居のものと思われる石材が残されています。
参道入口に立つ明神鳥居。
神額には「熊野神社」とあります。
建立は平成13年3月と比較的新しい鳥居でした。
参道はコンクリートで固められ、中央には雨水を排水するための溝が綺麗に造られています。
途中途中にぬかるみを避けるためのバラスが敷かれていました。
社殿が見えてきました。
切妻造り平入の拝殿。
拝殿の中の様子。
切妻造り妻入りの本殿覆屋。
本殿覆屋の中の様子。木造本殿が祭祀されています。
名称 熊野権現社
“多久市史第 5 巻民俗編”より引用
祭神 熊野本宮の神(家津御子大神、天神地衹13 柱)
所在地 多久町宮ノ浦
概要 往古石州分にあり大社であったと伝わり、牛馬に乗って通れば落ちるということから宮ノ浦に遷座された。1691年には存在していた。
境内の隅っこに鳥居の一部が積んでありましたが、おそらく参道入口に立っていた先代の鳥居の残骸かと思われます。
鳥居の老朽化を結構いろんなところで見かけるようになりました。こちらの熊野権現社でも先代の鳥居から新しい鳥居へと新旧交代があってましたが、こういう形で残されている古い鳥居がまた哀愁を感じさせてくれます。
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