こちらの飯盛神社は多久市役所の北東およそ2kmほど、佐賀県多久市北多久町大字多久原相の浦地区の町外れの最北端の山裾に鎮座されております。
国道203号東多久バイパス、九州横断自動車道多久IC付近の相の浦入口交差点を北に約1kmほど、相浦地区の集落が途絶えるとあとは山へ向かう一本道が続き、そこから200mほど入ったところに位置しております。
創建800年を超えるこの古社は、多久市の資料によると鎮座地の相の浦だけでなくその南の大工田地区の氏神様としても祭祀されてきたと記されています。
参道に立つ鳥居には「相神浦権現」の神額が掛かり、開放的な拝殿の前には比較的新しく寄進されたと思われる個性的な玉乗り狛犬が居ますが、その獰猛な表情は気弱な参拝者を威嚇するには十分な風貌です。
参道入口に立つ鳥居。
鳥居には「相神浦権現」の神額が掛かります。
多久市の資料(多久市史第5巻)によると、「下松浦の相神浦城主相神浦堅物が多久に移り住んだ1179年に相神浦(現佐世保市)の飯盛権現を勧請し創建したと伝わる」とあり、どうやら相の浦という地名はこの相神浦が起因していると思われます。
拝殿。
そしてお馴染みの拝殿前の狛犬さんです。
これが尾道型と呼ばれている狛犬さんでしょうか。昭和53年(1978年)1月生まれの狛犬さんは阿吽ともに玉乗りで、猛々しい形相で威嚇しており躍動感を感じます。
首の部分とお尻の部分は巻き毛ですが、全体的に流線形の美しい毛並みで尾は炎型です。通常は向かって右側に阿形が配置されるのですが、こちらは逆で阿形は向かって左側に配置されていました。
残念ながら石工さんについては不明でした。個人的には好きな狛犬さんの一つにランクインですw
境内の右隅に存在感のある大きな石の塊。
球状閃緑岩。俗にナポレオン石と呼ばれるもので、国内外でも珍しく佐賀県の天然記念物に指定されているそうです。
社殿遠景。
推定樹齢330年の御神木のイチイガシ。
歴史を感じさせる社殿は風化が目立ちますが、それを打ち消すような拝殿前の昭和生まれの躍動感ある狛犬さんがとても印象的な古社でした。
それでは今日も最後までご覧いただきありがとうございました。
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