肥前狛犬。
江戸時代初期から半ばにかけて、肥前国の石工たちによって制作された独特の作風の狛犬のことをこう呼びます。
現在に見る狛犬とは違い、目鼻や耳に尾などといった装飾が施されることは少なく、ほぼ直線と曲線で表現されたものではあるのですが、なぜか不思議な魅力があるのです。
その魅力にすっかり憑りつかれてしまい、今では神社を参拝させていただくたびに肥前狛犬の姿を探すようになってしまいましたw
肥前狛犬は佐賀県を中心に、長崎県や熊本県そして福岡県の一部にしか分布していません。
その希少さゆえかコレクターによる盗難もあるようです。
私のブログでは、管理されて盗難の心配がない肥前狛犬は神社名を挙げてご紹介しておりますが、盗難の恐れがある場合は名前や場所は伏せてご紹介いたしますので、どうぞご理解いただきたいと思います。

こちらは、多久市内の某所にある御堂です。車で走行中に偶然見かけたのでお参りさせていただきました。

足を横向きにしなければ登れないような、幅の狭い落ち葉に埋もれた石段を登っていきます。

するとそこには石祠が2つありました。
そして一つの石祠の前にはあのシルエットが…。
まさしく愛しき肥前狛犬ちゃんです!!
阿形も吽形も、地面にどっかりと座っているように造られていますが、可愛そうなことに吽の方は頭がありません。
しかし、阿の方は少し顔を上げてニッコリとほほ笑んでくれているようで、大きな鼻がとっても特徴的です。この姿勢で長い年月をずっと護ってきたのでしょう。ホントに健気ですねw

祀られていたのは「大権現」様でした。貞享元年(1684年)11月の建立です。

山神宮?と読めるようですが…よくわかりません。
山間の集落の片隅に祀られていた大権現をずっと守り続けてきた肥前狛犬たち。
その傷んだ身体を癒すこともなく、これからもその身が無くなるまで自分たちの使命を果たしていくのでしょうね。
歴史資料館から出版されている「多久の肥前狛犬」という冊子を読むと、多久市内には65体の肥前狛犬が確認されているということでした。
ということは、まだ見ぬ肥前狛犬ちゃんがまだたくさんいるということだから、もっともっと探し回らねばと気持ちをあらわにしましたw
そんな肥前狛犬たちに、こうしてスポットライトを当ててやることで少しは彼らの励みに繋がればいいかなと思います。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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