こちらの八幡神社はJR唐津線東多久駅の南方100m、というより駅舎を出たらすぐ目の前と言った方が分かりやすいかもしれない、佐賀県多久市東多久町大字別府別府二区の町なかに鎮座されます。
国道203号線の「東多久駅前」交差点から東多久駅に向かう、実延長距離が172mという短い県道235号東多久停車場線沿いに位置しており、道路と並行する境内と歩道とは腰の高さほどのガードパイプで仕切られているだけなので、歩きながらでも参拝できそうな感じですw
参道入口から二基の鳥居が奉納され、境内には砥川型岩乗り狛犬が守護する唐破風向拝付き入母屋造りの拝殿と、流造の本殿が建立されております。
多久市にはもう一つ八幡神社が多久町にありますが、そちらの方は「若宮八幡宮」と呼ばれているため、こちらの八幡神社と混同することはないようです。
じつは、こちらの神社にも肥前狛犬が奉納されているようなのですが、残念ながら拝見することはできませんでした。御祭神は應神天皇、神功皇后、武内大臣、少童命の四柱です。
社頭。国道203号線から入った入り口の様子。
一の台輪鳥居は肥前鳥居の特徴が残っており、肥前鳥居の後期型と思われます。
鳥居に掛かるのは「八幡宮」の神額。
手すりが朱色に塗られた2径間桁橋の神橋。
二の台輪鳥居には「揚武」の神額が掛かります。八幡神社らしいですね。
境内入り口にあるご神木。
樹齢150年のクスノキ。
境内遠景。
そして拝殿前には砥川型の岩乗り狛犬が居ます。
明治15年5月生まれの岩狛さんです。
頭が大きくて、じつに迫力のある顔をしています。
神馬。
瓦葺き唐破風向拝付き入母屋造りの拝殿。
向拝下には「八幡社」の社号額が掛けられております。
村社 八幡神社 小城郡東多久村大字別府
“佐賀県神社誌要”より抜粋
祭神 應神天皇 神功皇后 武内大臣 少童命
大永八年一月水ヶ江城主龍造寺山城守家兼側士伊東氏をして、伊勢神宮を詣てしめ分霊を奉して仝村荒平山の頂に祭りて鎮守神としたり、然るに仝所は道嶮なりしを以て永禄年間仝村字下田に遷座せり、永禄十年十一月十五日龍造寺和泉守長信高野若宮と並へて三所宗廟と称し厚く崇敬せられしより、多久領主代々崇敬の社となる、明治六年村社に列す、明治十四年六月三十日現在の地に遷座せり。明治三十六年無格社龍王神社を合祀せしにより祭神少童命を追加せり。
手水舎。
社務所。
稲荷社。
銅板葺き流造の本殿。
透かし塀の向こうには本殿を守る狛犬さんたちが居ました。
危うく見逃してしまいそうになりましたが、塀の隙間からスマホを入れて撮影することに成功しました。
比較的新しいようですが、岡崎型の狛犬さんでしょうか。
神木(ケヤキ)。
神木(イチョウ)。
境内奥にはたくさんの末社が纏められていました。
由緒書きが見当たらなかったのですが、どうやら伊勢神宮を勧請して創建されたとのことです。
さて、こうして神社巡りをしていて思うのですが、氏神様或いは産土神様を氏子の方々が大切にお祀りしておられるお社もあれば、すっかり荒れてしまったお社もあるようです。
いずれはこうした小さな神社や狛犬さんたちが、人から忘れ去られて朽ちていく日が来るのではないかと危惧する毎日です。
日本国内には八万社あるそうです。そんな数の神社が参拝できるはずもないのですが、私にできる範囲でご紹介できたらと思っています。
今日ご覧いただきありがとうございました。
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