こちらの肥前狛犬は、多久市のある集落の民家の集まる中ほどにある小さな公園の、ブランコやジャングルジムといった子どもたちの遊具が設置されている北の端っこに、3基の猿田彦塔とともに祭祀されている天神社を守護しています。
この天神社の石祠は十六世紀末から十七世紀初頭の造立様式だとされ、石祠の中には菅原道真公の座像が祭祀されています。
奉納されている肥前狛犬は多久市の中でも小型の部類で、石祠の右側に吽像、左側に阿像が縦置きに配置されており、石祠と同じく十六世紀末から十七世紀初頭に製作されたものだと推定されています。
天神社は、公園の北側に3基の猿田彦塔と肩を並べて畑を背にして祭祀されています。
天神社の石祠。祠の中には菅原道真公の立像が確認できます。
その両側に肥前狛犬が縦置きで配置されており、盗難を防ぐためでしょうか下の部分をコンクリートで接着してあります。
阿像は頭頂に小さな一角の突起を持ち、右側の耳は欠損している。たて髪はほとんど確認できない。目も杏仁形のようだがはっきりしない。口はやや幅広い横線を彫り、吽像と比べて横線の幅が広いことから開口とみなした。前肢と後肢は浅彫りで連結している。背はやや直線的で背稜は施されず、下部に浅い浮彫りの尾をもつ。
多久市歴史民俗資料館発行“多久の肥前狛犬”より抜粋
吽像は阿像以上に角がとれ、顔は丸くなっている。頭頂部がやや膨らんでいるが、角とは断定できない。目・鼻・口もかすかに確認できる程度である。四肢は浅彫りで連結している。背は丸みを持ち、背稜はない。尾も確認できない。
公園遠景。
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