こちらの肥前狛犬は多久市の山間部に鎮座する古社の本殿を守護しています。
杏仁形の眼をした肥前狛犬は一対で、建屋の中に安置されているのでとても状態はいいようです。
祭神の石祠とともに祭祀されている弁財天の石祠の水天像は、永禄12年(1569年)の銘を残す市内最古級の石造物で重要文化財に指定されています。
神殿に奉納されている肥前狛犬は前肢を立てて座った姿であるが、腰高で直線的であるため台形状の体部にやや大きめの頭部が載った側面長方形を呈している。吽像の前肢の両足先が欠けている以外は保存状態が良好な狛犬である。
多久市民俗歴史資料館発行の「多久の肥前狛犬」より抜粋
阿吽像とも頭頂部はやや尖っているが角とは言い難い。たて髪は素毛で肩口までで止まっている。阿像の額部は円形に盛り上がり、左右に隆起した眉骨と鼻筋の通った鼻が下方に伸びやや大きな鼻かぶらとなっている。目は杏仁形で大きく、眼球の回りの掘り込みは深く目尻線に繋がり耳まで達している。阿像の口は歯牙状をなして開いている。吽像は眉から下部は扁平で鼻だけが盛り上がり、口は横線刻で閉じている。阿吽像とも四肢は浅彫りで前肢と後肢を連結させている。前肢間はやや深めに掘って太い脚を強調している反面、前肢と後肢の間は彫りが浅く後肢の輪郭さえわかりにくい。背稜・尾部とも表現されていない。
この肥前狛犬の製作時期については、□□□□を含めて周辺には古い神社や石祠など信仰の対象となるものは存在せず、この狛犬は□□□石祠造立の永禄十二年と時を置かずに製作されたものと推定され、肥前狛犬の出現期のものであろう。
静かに拝殿の中にお邪魔させていただいたのですが、拝殿の中はまるでたった今掃いたのではないかと思うほど清掃が行き届いていました。
地域の皆さんの毎日のご苦労にあらためて頭が下がります。
肥前ちゃんは正面からのショット、そして斜め上からのショットを撮影させていただきました。
くまなく全体を撮影したいのは山々なのですが、撮影のためだけにこの子たちを動かすことはしませんでした。
それが私の肥前狛犬へに対するリスペクトなのかな。
それでは今日も最後までご覧いただきありがとうございました。
ランキングに挑戦しています。⇩ポチッとクリックいただければとても励みになります!
コメント