稲主神社 佐賀県武雄市北方町大字志久

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武雄市の神社

年の暮れは雪が降る日が続き、冬真っ只中の様相を呈して来ましたが、残っていた雪もすっかり解けて境内の地面も乾いてきたようなので、大好きな狛犬さんを探しに出かけてみました。

今回やってきたのはJR佐世保線北方駅の西北西に1.5kmほどの距離、佐賀県武雄市北方町志久に鎮座される稲主神社です。

武雄市内から佐賀方面に向かっていると、左手にこんもりとした森が見えてきます。これぞ鎮守の森ですね。カーナビに入力はしていたのですが、「ああ、ここだな」とすぐにわかりましたw

武雄市の「北方保健センター」の向かい側にあたり、国道34号線のすぐ脇に鎮座しております。

北方保健センターさんの広い駐車場の、ほんの隅っこの方に車を停めさせていただいて参拝させていただくことにしました。

国道34号線を渡ると、入口にはすぐに一の鳥居(台輪鳥居)があります。

神額には「稲主神社」とあります。

神橋。

神橋を渡ると飛び狛が乗る灯籠が立っております。

残念ながら劣化が進んでおり、吽形の方は顔の様子が確認できませんでしたし、阿形の方は顔の表情はしっかりとしていたものの胴の部分から先が欠落していました。

参道の階段。

二の台輪鳥居。

牛像と神馬。

お堂。

手水舎。

樹齢310年の楠の御神木。

その左隣には「四十五口径三十糎演習弾」が置かれています。

日本帝国陸軍、もしくは海軍から払い下げられたもののようですが、関係文書によると払い下げられた砲弾は当初3個あったようですが、現在は1個だけ残っていました。

この楠も鎮守の森を形成するための大きな役割を担っているようですね。

拝殿前にも飛び狛が乗る灯籠がありましたが、残念ながらこちらも吽形は欠落しておりました。

風化によるものかいたずらによるものかはわかりませんが、こういう古いものを後の世代に残していくという努力は惜しまずにやっていかなければと思うところです。

米俵の石像。

銅板葺き千鳥破風唐破風付きの拝殿。

明治31年生まれの狛犬さんで、「砥川村石工 永石庄吉」と彫られています。

砥川石工は塩田石工と値賀石工とともに佐賀の代表的な石工集団ですが、なかでも砥川が佐賀の石工産業の中心となっていて塩田と値賀のルーツだと言われているようです。

筋肉質でとても力強さが感じられる、鬣と尾の流れがとても美しい狛犬さんでした。

向拝虹梁の上に施されている龍の細工が見事です。

木鼻の獅子と獏も見事です。

山の中の社ということもあってか湿気が凄く、境内の地面が苔むしたようにヌルヌルとした感じです。

そのせいなのか、地盤が緩くなっているようで椅子の重みでだんだん傾いたり沈んで行ったりしているようです。

境内社の前には飛び狛が乗る灯篭と、一対の肥前狛犬が迎えてくれます。

と思ったのですが、よく見ると飛び狛の方はどうやら狐様のようです。

「最上稲荷神社」。なるほど、お稲荷様でしたかw

やっぱり肥前狛犬はいい雰囲気を醸し出してくれますねw

本殿。墾田を囲んでいるこちらの塀は、透かし塀と言うようです。

お稲荷さん。

崖には上に上がる階段が彫ってあります。

社務所かな?

こちらのお社も傾いています。

石仏や石祠が祀ってありました。

稲主神社御由緒

木之元氏霊神は京都御所守護の要職に在りし源頼茂公にして鎌倉幕府三代将軍源実朝殺害せらるるや頼茂将軍職を窺うものなりと讒言する者あり 後鳥羽上皇官兵をして攻め給う 頼茂公漸くして逃れ肥前国北方郷追分の里夕路木谷に匿れ姓を木元夕路木と改む。
 偶々紅稲93把の盗難あり 代官等木元氏を疑い詰問す。木元氏頻りに辨すれども聞かれず 遂に幼児7人の腹を剖き無実を立証す。之を検すれば溝蝦と茱萸の混ぜるのみ 最後に自らも切腹して果てられる。
 其の後郷内災厄頻りに起り五穀実らず住民難渋 世人木元氏の祟りとなす。四條天皇嘉禎元年 木元父子の霊を倉稲魂命に配し稲主大明神と称え祀るべしとの勅命あり 依って現在地に神殿を建立し鎮祭す 以来災息み五穀豊穣せりと云う 9月1日(210日)の風日には遠近よりの参拝者雲集し 風除け五穀豊穣の祈願祭を奉仕し 御神徳を戴くこと顕著なり。10月19日は 神祇管領(吉田神道家)より免許を受けたる三本傘鉾、七囃浮立を奉納(浮立保存会)し 御神徳を和め 厳かなる供日祭を奉仕す。
 当神社は蝗除け、五穀豊穣、商売繁盛の御霊験あらたかなる神様として 御鎮座以来700有余年の間 広く厚く尊崇せられた 元郷社の社格を有せられる御社なり。

由緒書きより

御火焚祭は12月8日に終わっているようで、12月末日に松飾りが施されるようになっていました。

倒れないように石碑をチェーンで引っ張っているのがお分かりでしょうか。

こちらにも地盤沈下の影響が現れているようです。

地域の皆さんが大事に守ってきた古社も、全国的に危うくなってきているところが多くなっているのかもしれませんね。


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