こちらの樋口神社は、JR佐世保線高橋駅の北方およそ2kmの距離、長崎自動車道武雄北方ICにほど近い佐賀県武雄市北方町大字大崎東宮裾、国道498号線に架かる高速道の高架下を通り、700mほどのところにある変則的な三差路を右に行った小丘の上に位置します。
鎮守の森を背景に石段参道前には一の鳥居、境内入口には二の鳥居が奉納され、境内には塩田型の狛犬が守護する入母屋造の拝殿と流造の本殿が建立されています。御祭神は奈良時代の皇族橘諸兄と合祀により追加された天照皇大御神外八柱です。
明治四十一年造立の一の鳥居の柱には施主として北方炭鉱主の銘が刻まれており、古くは炭鉱で栄えていたこの町の様子が窺えます。

社頭。

参道入口の一の台輪鳥居。右の柱には「明治四十一年十二月敬建」の刻銘、左の柱には「北方炭鉱主古賀善兵衛」と刻銘されています。
古賀善兵衛さんといえば、天下の三菱があまりの困難さに断念した長崎県の松島炭鉱を買い取り、婿養子の古賀春一氏に任せて見事に採掘に成功させたという人です。

鳥居には「樋口宮」の神額が掛かります。

石段参道。

境内入口に立つ二の明神鳥居。

こちらには「樋口神社」の神額が掛かります。

当時を偲ばせる手水盤。

唐破風付き入母屋造りの拝殿。
そして拝殿前には塩田型の狛犬さん。
蹲踞の狛犬さんで、垂れ耳でマスティフ犬みたいな風貌はオーソドックスな塩田型狛犬の特徴です。

拝殿の中の様子。
神社名 樋口神社
拝殿案内板より
祭 神 橘諸兄 天照皇大御神 保食神 三女神 ( 市杵島姫神 多岐理姫神 多岐津姫神 )
大地主神 少彦名神 樋口命 武内宿禰 菅原道眞公 藤原時平
村社 樋口神社 杵島郡北方村大字大崎
“佐賀県神社誌要”より引用
祭神 橘諸兄 天照皇大御神 大地主神 武内宿禰 保食神 少彦名神
菅原道眞 三女神 樋口命 藤原時平
日皷岳の城主井手備後守橘公泰、文明元年十一月十五日其の祖橘諸兄を勧請し、武運長久を祈願せり、後奉仕の僧家大聖寺火災の為め、当社の記録悉く焼失せしを以て詳細を知るに由なきも村民の崇敬特に厚く、社殿其他も完備する所なりしも、漸々腐朽に傾きしを以て、大正十一年十月全部を改築して大に荘厳を極むるに至れり。明治十二年八月七日村社に昇格す。無各社合祀により、祭神天照皇大御神外八柱を追加す。

拝殿の中の様子。
銅板葺き流造の本殿。

境内脇の石塔。

御神木のイチイガシ。
ちなみに、こちらの樋口神社さんは熊野神社さんが社務所を兼務しておられるとのことです。
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