今日ご紹介するのは佐賀市伊勢町、佐賀県庁近くの街中に鎮座される伊勢神社です。
この伊勢神社は、三重県の伊勢神宮から正式に分霊を勧請することができた国内唯一の神社で、初めは神崎郡吉野ケ里町の田手、次に鍋島町蛎久、そしてこちら佐賀市伊勢町に創建されました。伊勢町というのは伊勢神社からとられたものだそうです。
私がまだ高校生のころ、佐賀市というところは流行の最先端をいく街で、映画館やアイススケートにボーリングなどのレジャーとショッピングは佐賀の一択と一定ほどでしたので、何度も伊勢町の前を行き来していたのですが、そんなことは露ほども知りませんでした。
さて、そんな伊勢神宮に行きたいと思ったのは、正直に言いますとお伊勢参りではなく、肥前鳥居と佐賀市最古の肥前狛犬が見られるということを知ったからです。
それを知ったからには我慢ができません。会いに行って来ましたw
社頭。
これはこれは、見事な肥前鳥居です!
肥前鳥居の特徴である笠木に島木、貫と柱もすべて3本継ぎで制作されていて、柱には慶長12年(1607年)の刻銘があります。
神門には鍋島杏葉紋があります(左)。そして肥前鳥居に掛かる「太神宮」の神額(右)。
神門。
そして、佐賀市最古のものと伝えられている肥前狛犬。
まるで眠っているかのように穏やかな顔をしている肥前狛犬ちゃん達ですが、風化も少なく屋外にいながらもとても綺麗な状態で保たれていました。
肥前狛犬には刻銘があるものは少ないのですが、この肥前狛犬ちゃんには寛文7年(1667年)の刻銘があり、現時点では佐賀市で最も古い肥前狛犬とされているそうです。
居眠りしていて、今にも前に倒れちゃいそうな感じがしますwww
境内の様子。
鎮座地 佐賀県佐賀市伊勢町9-8
御祭神 天照大神
ご利益 商売繁盛・五穀豊穣・学問成就・家内安全・子宝など諸願成就
御由緒 昔、三重県の伊勢は庶民の憧れの地で、一生に一度でも行けたら幸せなことだと歌にされるほどだったそうです。町民も農民もこぞって伊勢詣でをしたのですが、戦乱の時代に伊勢まで歩くことは大変なことでした。
伊勢神社公式ホームページより
ところが、佐賀県の神崎に杉野隼人というたいそう信仰心の厚い侍がおり、伊勢までの長い道のりをものともせず、18歳から44歳まで年2回、なんと53回もお伊勢参りに行ったそうです。伊勢神宮の長官三方衆がこれを「前代未聞のこと」と感激し、伊勢神宮の分霊を許したとされています。もともと、伊勢大神宮の分霊を勧請することは許されないことなのですが、杉野隼人の熱心さがそれを覆したということです。
伊勢神社の社名は全国に数ヶ所ありますが、伊勢の神宮より御分霊をいただいたという御由緒はここだけで、本当の意味での「伊勢神社」は三重と佐賀にしかないといわれています。
手水舎。
現在は感染症対策から水は出ておらず、その代わりにアルコール消毒液が準備されていました。
社殿。
そして狛犬さん。
社殿を護っている狛犬さんは、嘉永2年(1849年)生まれの躍動感あふれる岩狛さんでした。
どなたの作品なのでしょうか、とっても魅力的な岩狛さんについ見とれてしまいました。でも、石工さんの名前が分からずちょっと残念です。
神馬。
向拝下には「伊勢太神宮」の神額が掛かります。
拝殿の中の様子。
透かし塀で囲われた神明造りの本殿。屋根は切妻造銅板葺です。
社務所。
「えびす神社」。
寛保3年(1743年)に、伊勢町の氏子の方々が石造の恵比寿様をご神体として伊勢神社境内にお祀りされたとのことで、佐賀市で最も古い御恵比寿様として崇められています。
そして「えびす神社」を護っている肥前狛犬ちゃんがここにもいらっしゃいましたw
1対の肥前狛犬ちゃんですが、阿形の横には引退されたと思われる1体だけの狛犬さんもいました。
屋根の上には「鳩」が付けられていました。
「英彦山大権現社」。
「伊勢恵比寿神社御由緒」と「英彦山大権現社御由緒」。
末社と石祠群。
御神木。
伊勢神宮では2対の肥前狛犬ちゃんと出会えることができました。
こちらは大型ですし、管理もしっかりできているので盗難の心配もなさそうですからブログで紹介させていただきました。
さて、次はどんな狛犬ちゃんに出会えるのか楽しみです。もっといろんなところに行ってみたいな♪
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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