こちらの若宮社は、JR長崎本線久保田駅の北方およそ1.2kmの距離、佐賀県小城市三日月町堀江四条地区に鎮座されております。
国道34号線と交わる国道203号線の「三日月町五条」交差点から北に500mほど、小城警察署五条警察官駐在所から東に田圃の中を600mほど行った集落の北の外れに位置しています。
通りから路地を一歩入ったところに「若宮社」の神額が掛かる鳥居が建立され、開放的で狭小な境内の中に入母屋造りの拝殿と流造の本殿覆屋が建立されています。拝殿向拝下の頭貫の上には鯉の彫刻が施され、昭和生まれの砥川型岩乗り狛犬が睨みを利かせています。
案内がなく、御祭神や由緒等については不明ですが、周囲には広大な稲作用の水田が一面を覆いつくし米作りが盛んな地区だという様子が窺え、古から地域の農家の方々の心の支えとなってきた神社であることが窺えます。
境内入口に立つ鳥居。
鳥居に掛かるのは「若宮社」の神額。
拝殿。
そして…いました、いました。
拝殿前の狛犬さんです。
立ち耳に巻き毛の立尾、そして隆起した眉にギョロリと睨む目はとても鋭く、鋸歯と牙もしっかりと彫られていて今にも飛びかからんとするような精悍な顔をした岩狛さんでした。
昭和9年(1934年)11月に奉納された、比較的新しく制作された狛犬さんなのでまだまだ若々しくて健康な様子ですw
この狛犬さん、顎の後ろの方に流れる鬣がじつに特徴的です。やはり古い作品と比べると洗練された作風に感じられるのは私の気のせいでしょうか。
「石工 小城町字坂井 西鉄一 謹刻」の刻銘が読み取れます。
小城町の坂井という地区名で検索したら、「小城市小城町栗原坂井」という地名がヒットしました。おやおや、またまたここでも栗原という名前が出てきました。
先日の波多八幡宮さんの狛犬を造った石工さん、江頭重三さんも小城町栗原の刻銘が入っていましたんですよね。
向拝下の頭貫の上には鯉と龍の彫刻が施されています。
そういえば、中国の故事で「黄河の竜門を登った鯉は龍になる」という言葉を聞いたことがあるような…
本殿覆屋。
こちらの若宮社さんもドライブがてらの神社探しで見つけたところですが、小城市、とくに三日月町は走り回ればまるで湧き出てくるように神社と出会います。
ただ、景色がどこもほとんど似ているので、境内まで行ってみないと参拝した神社なのか初めての神社なのか分からないので困ったものですw
さすが石工の里。と思ったのですが、よく考えると石工さんが多かったから神社が多いわけじゃないですよね。
それでは今日も最後までご覧いただきありがとうございました。
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