こちらの肥前狛犬は小城市の片田舎、山沿いの集落に鎮座されているとある古社の境内社を守護しています。
小城市と言えば肥前石工を代表する石工集団の砥川石工の里ですが、これまで参拝してきた神社の中にこちらの集落の刻銘が入る狛犬さんや鳥居を見かけることが多々あります。
ということはこの集落は、砥川石工集団の流れをくむ石工さんが住んでおられたということの証と言ってもいいのかもしれませんね。
こちらが境内社。梅の社紋があるので天満宮だと思われます。
天満宮を守護する肥前狛犬の向かって左側の一体は正面を向いており、右側の一体は左を向いて座っております。
おそらく左側が吽形で右側が阿形だと思われます。
吽形の、長い間風雨に晒されてきたあかしともいえる頭に付いた苔が、まるで綿帽子を被っているように見えるのが何となくホッコリとした気分になります。
風が吹くたびに揺れ動く木漏れ日が体全体をくまなく照らし、暫し日光浴をしながら春の暖かさを感じているかのようです。
今までも、そしてこれからも暑い夏も凍り付くような寒い冬も、彼らは静かに時の流れを見守っていくのでしょうね。
この子たちはサイズもほとんど同じで、彫りの深さや造形の特徴も同じの2体は紛れもなく一対の肥前狛犬だということがわかります。
それぞれ向きがバラバラの肥前狛犬でしたが、よそから来た人間が余計なことをするべきではないと思い今回もあえてそのままにしておきました。
そういえば唐津市の肥前狛犬の中に、2体が並んで座ってどこか遠くを見ていた肥前ちゃんがいたよねw
さて、今回も可愛らしい肥前狛犬と出会うことができましたが、最近富に肥前狛犬に限らず狛犬を見るたびに感傷的になってしまいます。
石とはいえどいずれ崩れ去ってしまう狛犬や鳥居は、やはり保護をしてやらないと生き残っていくことはできないわけで、そういう姿を見るたびに悠久の歴史にその姿をずっと刻んでいって欲しいと願ってやまないのです。
やっぱりこれって齢のせいかもしれませんねw
それでは今日も最後までご覧いただきありがとうございました。
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