こちらの物部神社はJR長崎本線中原駅の南南東およそ2.7kmの距離、佐賀県三養基郡みやき町大字中津隈板部地区に鎮座されます。
国道34号線の「三養基高校入口」交差点から、佐賀県道280号中津隈原古賀線を南に2kmほどの道路西側に広がる板部地区の集落南に位置しています。
閑静な住宅地の一角に佇む古社ですが、案内がなく詳しい由緒沿革等については分かりません。みやき町によると飛鳥時代の由来を持つみやき町内最古の神社で物部氏ゆかりの神社と言われています。御祭神は物部氏の氏神である経津主神とされます。
境内は腰の高さほどの石垣に囲まれ、境内入口の七段ほどの石段を上がると「物部宮」の神額が掛かる鳥居が奉納され、さらにその先にある五段の石段を上がると道路に沿って縦長の境内が広がっております。
さらに進んだ上の境内に、天保九年生まれの塩田型の岩乗り狛犬が守護する入母屋造りの拝殿と流造の本殿が建立されています。また、本殿前に一体だけ安置された、前立岩の牡丹の花と流れるような鬣が美しい吽形の岩狛が哀愁を誘います。
社頭。
台輪鳥居。
「物部宮」の神額が掛かる。
境内の様子。
手水鉢。
瓦葺き入母屋造りの拝殿。
そして、塩田型の岩乗り狛犬です。
蹲踞(そんきょ=お座り)の姿勢が一般的だったなか、狛犬の前方に置いた岩に両前肢を掛けて半ば立ち上がった姿勢の狛犬が砥川石工の定番だったと言われています。
その砥川で修業を積んだ塩田石工の創始者、筒井惣右衛門さんが塩田に戻って多くの弟子を養成して塩田型の狛犬が確立したわけですが、塩田型は砥川型の基本形を継承しながら細部に精細な彫刻が施されています。
特徴的なのは、前方に置いた岩に牡丹の花と葉を配しているのが定番で、いわば「唐獅子牡丹」が塩田型だと言ってもいいのかもしれませんね。
また塩田型の狛犬さんの鬣や尾の毛筋は、規則的できれいな平行線を保って長く伸びているのも特徴的です。
台座には「天保九戊戌年七月吉祥日」の刻銘が入ります。
向拝下の彫刻。「丸に三つ笠松」の紋が彫られています。
拝殿の中の様子。
銅板葺き流造の本殿。
こちらは先代さんなのでしょうか?本殿脇に阿形が一体だけ安置されていました。
前立岩に施された牡丹の花が素晴らしい岩乗り狛犬で、こちらも塩田型だと思われます。
こちらにも頭部が欠落してしまった狛犬さんが一体。
御神木。
みやき町最古の神社ということなのですが、調べてみてもとにかく情報が少ない神社でした。
もっと詳しいことがわかったら、その都度更新していきたいと思います。
今日も最後までご覧いただきありがとうございました。
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