こちらの鶴田神社は、JR唐津線厳木(きゅうらぎ)駅の南西およそ2kmの距離、佐賀県唐津市厳木町浪瀬地区に鎮座されます。
国道203号厳木多久有料道路の浪瀬ICから南、県道32号伊万里畑川内厳木線を伊万里方面に向かい1.5kmほど行った峠の麓に道路沿いに連なる浪瀬集落の中央付近に位置します。
社殿は標高117mほどの小山の上にあり、県道右側を流れる小川を挟んで入った集落への引き込み線の正面に5mほどの石垣が組まれ、十八段の石段を上った先に幟杭と鳥居が建立されています。
集落の西方500mの岩山には獅子城(ししがじょう)があり、頂上へ向かい石段参道を上りつめた境内入り口の左側には、御祭神である城主の松浦党の鶴田越前守前(つるたえちぜんのかみすすむ)公の五輪塔と呼ばれる墓があります。
境内入口の二の鳥居をくぐると、さらに3mほどの石垣に赤煉瓦の玉垣を巡らした上の境内が置かれ、昭和生まれの唐津型狛犬が守護する入母屋造りの拝殿と流造の本殿が建立されています。
また、ここから北東に2.5kmの小丘の上には、獅子城の鬼門の祭神として鶴田公が蔵王権現を奉納したとされる室園神社が鎮座されます。
公共交通機関はありません。徒歩ではそこそこ時間がかかるので、マイカーかタクシーでの参拝がおすすめです。
石段参道入口に立つ一の鳥居。
鳥居に掛かる「鶴田神社」の神額。
昭和3年1月建立の鳥居。
さらに石段参道が続く。
中央の背の高い墓標には「傑山道英大禅定門」と書かれています。
大禅定門という戒名は、居士の上に位する戒名ということなので、きっと偉い方のお墓だと思われます。その他にも墓標らしきものが数基あります。
こちらが鶴田越前守前公の墓です。
五輪塔の墓標。
境内遠景。
境内入口に立つ二の鳥居。
鳥居に掛かる「鶴田神社」神額。
昭和3年9月の建立でした。
瓦葺き入母屋造りの拝殿。
そして拝殿前の狛犬さんです。
阿形は玉を咥え、吽形は右前脚で玉を踏んでおり、ギョロリとした目と彫りの深い顔に体に比べ頭が異様に大きな迫力のある狛犬さんです。
昭和3年8月生まれの狛犬さんは、鬼塚村山田(唐津市山田)の石工谷口猪之助さんが制作された狛犬さんでした。
拝殿の中の様子。
創建の記
当鶴田神社は鶴田越前守源前公を祭神とする。公は天正四年六月二十八日逝去せられ年を経て明治八年没後三百年の遠忌祭をもって祭礼の起りとなったことが明記される。
即ち明治八年に当時東京在住の鶴田の後裔であった故元、元老院議官鶴田皓先生によって平戸町の鶴田奨氏を始め各地因縁ある鶴田一族を集められ献燈、幟旗等を寄進して厳粛荘厳なる三百年祭を挙げられこの時当区としては江口甚六、吉野彦左エ門、小松幸作、吉野七右エ門等の代表が尽力せることを記録として残されておる。…後略。
流造の本殿。
宮地嶽神社ほか。
弘法大師。
御堂。
鶴田神社は、獅子城の城主だった鶴田越前守前公を祀った神社ということでしたが、獅子城はこの鶴田神社から200mほど西に行ったところから北へ、山間の道を600mほど登ったところにありました。
城址とはいいますが、お城だったという残存物はまったく見ることはできず、天守があったと思われる頂上に「獅子ヶ城跡」のモニュメントと石仏群があるだけで、ちょっと期待外れだったかな。機会があったら後日アップしたいと思います。
それでは今日も最後までご覧いただきありがとうございました。
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