こちらの七郎神社はJR唐津線多久駅の南西およそ4.5kmの距離、多久市から武雄市若木町へと向かう県道25号多久若木線沿いに広がる山間の集落、佐賀県多久市多久町大字板屋字板屋下に鎮座されます。
県道横の参道入口から里山へと延びる田んぼに挟まれた参道を進むと、入り口に置かれた三段ほどの石段の先に一の鳥居から計三基の鳥居が奉納されており、静寂に包まれた山道の参道を進んで行った先の境内には、朱色と黄色の色彩が美しい唐破風付き入母屋造りの拝殿と流造の本殿が建立され、それを昭和4年生まれのハンサムな狛犬が守護しています。
丹邱邑誌には御祭神は稚武王命、長崎県平戸市の志志岐神社から永禄四年(1561年)に勧請されたと記されているようです。
社頭。
石段参道前に立つ一の肥前鳥居。
一の鳥居に掛かるのは「七郎宮」の神額。
柱には天保11年(1840年)2月建立の刻銘が入ります。
参道途中の二の鳥居。
二の鳥居にも「七郎宮」の神額が掛かります。
寛政5年(1793年)11月建立の刻銘が入ります。
柱の刻銘が伝明なのは、やはり山の樹々のおかげでしょうか。
石畳の参道がまだ続きます。
やっと境内が見えてきました。
三の鳥居。
三の鳥居に掛かるのは「七郎神社」の神額。
柱には明治20年11月に改建の刻銘が入る。
境内遠景。
唐破風付き入母屋造りの拝殿。そして拝殿前には昭和4年10月生まれの狛犬さんが建立されていました。
吽形には頭頂部に角が見られ、阿吽ともに耳は後ろに向かった立ち耳に滑らかな小山のような尾立ち、鬣や尾の付け根は渦巻貝のように巻いています。
砥川型とも塩田型とも違う、もちろん築後型でもなくどちらかというと江戸流れの狛犬さんのような雰囲気を漂わせています。
こちらの狛犬さんですが、厳つい顔つきにバランスの良い体型に渦巻く鬣など、私がこれまでに見た狛犬さんの中では一番カッコイイ狛犬で、とても素晴らしい作品だと思います。
唐破風向拝下。
拝殿の中の様子。
銅板葺き流造の本殿。
稲荷社。
石祠。
御堂。
境内の様子。
こちらの七郎神社さん、赤と黄色のペイントが施されていましたが、氏子さんがしっかりと管理されていらっしゃる様子が伺えますね。
拝殿前の狛犬さんの奉納年された年や、制作された石工さんのお名前などが分からなかったのが残念ですが、きっとこれからもしっかりと守護していってくれると思います。
それでは今日も最後までご覧いただきありがとうございました。
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