こちらの八幡宮・天満宮はJR長崎本線鍋島駅の北北西およそ4kmの距離、佐賀県佐賀市大和町大字池上字佐保地区に鎮座されます。
佐賀大学医学部付属附属病院西の、嘉瀬川を挟んだ県道267号松尾佐賀停車場線池上交差点北側のまばらな集落の中に位置し、田圃の中に敷かれたコンクリートの参道を進むと、境内入口に八幡宮と天満宮が並列に書かれた神額が掛かる鳥居が奉納されています。
御神木の楠と数本の木立だけの明るく開放的な境内には、大正生まれの狛犬が守護する唐破風付き入母屋造りの拝殿と流造の本殿が建立され、本殿内の並列の祭壇にそれぞれの御神体が祭祀されています。
拝殿前の狛犬は一目で塩田型の狛犬と分かり、江戸時代から昭和まで変わらぬ造形です。これは塩田型のみならず砥川型と唐津型にも言え、あらためて肥前石工の技量の高さと伝統を重んじる石工さんには敬意を表したいです。
御祭神は応神天皇と菅原道真公と思われますが、並列の祭祀が創建当初からなのか、はたまた明治の神社合祀によるものなのかは案内がなく不明です。

田圃の真ん中を割くように伸びる参道。

境内入口に奉納された台輪鳥居。

鳥居には「八幡宮」と「天満宮」が並列に書かれた神額が掛かっております。
創建当初からなのか、明治の神社合祀によってなのかはわかりません。
柱には「武運長大」のほか多くの刻銘が入っていたものの、造立年は確認することができませんでした。

唐破風付き入母屋造りの拝殿。
拝殿前に奉納されている塩田型の狛犬。
左の吽形の台座には「大正八年九月吉日 建之」、右の阿形の台座に「石工 宮崎健一」の刻銘が入ります。

唐破風向拝の下の様子。

拝殿の中の様子。

本殿の中には並列の祭壇にそれぞれの御神体が祭祀されているようです。
流造の本殿。

神社遠景。
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