この肥前狛犬は、多久市のとある集落に建立された御堂の北側に祭祀されている権現社石祠前に安置されています。
民家の裏の畑を抜けた小山の竹林を拓いた参道を上って行くと御堂があり、権現社石祠はその御堂の右側に祭祀されています。
石祠前に横置きに配置された狛犬は、背丈が低くどっしり感があり、杏仁形の目に愛嬌のある角ばった風貌の肥前狛犬然とした狛犬さんですが、野外に置かれ風雨に晒されているにも関わらず風化の度合いが進んでいないように思えるのは、周りの樹々が雨や風を遮る役割を担っているのかもしれません。
これからもずっと彼らは此の地で自分の役割を果たし、その躰にもきっと永い時が刻まれていくことでしょう。
竹林を拓いた参道には祖石の石段が設けられています。
境内に着くと正面に石祠、左手には御堂が建立されています。
集落の西の小山の上に位置するこの御堂は新四国八十八か所の札所となっており、堂の中には弘法大師像や観世音菩薩像などが祭祀され、堂の右側に回った奥の土手際に権現社石祠が建立され一対の肥前狛犬が奉納されています。
向かって右側に阿形、左側に吽形が配置された狛犬は、どちらも背が低くどっしりとした造りでオーソックスなタイプの肥前狛犬です。
境内にはにこやかにほほ笑む座像などが祭祀されていますが、多久市の資料によると子どもの神様や疱瘡の神様が祀られているようです。
背丈は低いけれどどっしりした感じで、これぞ肥前狛犬といったタイプの狛犬さんです。
権現社石祠。
石祠を両サイドから。
御堂の遠景。
御堂の中の様子。
弘法大師像と観世音菩薩像。
今日も最後までご覧いただきありがとうございます。
まだ知られていない肥前狛犬が居るかもしれないと、あまり人が踏み入れない小さな神社を回るのが好きですが、出会いを期待しながらの参拝を続けていてもなかなか出会うことはできません。
今日は彼らの健気な姿に元気をもらうことができましたが、次はいつになるのやらw
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