新庄八幡神社 佐賀県佐賀市鍋島町大字森田西新庄

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佐賀市の神社

こちらの新庄八幡神社はJR長崎本線鍋島駅の北北西およそ2.5kmの距離、佐賀県佐賀市鍋島町大字森田西新庄地区に鎮座されます。

国道34号線「江里口」の信号から北へ、クリーク沿いに真っ直ぐに900mほど進んだ先の正面に位置しており、佐賀県の保存樹に指定されている樹高16mのクスノキを中心に、境内周りには鎮守の森が形成されています。

應神天皇、仲哀天皇、神功皇后、比賣大神、春日大明神の五柱を祭神に持ち、安徳天皇の時代には大分宇佐八幡宮の分霊を勧請して五社八幡宮とも言い伝えられており、境内入口には肥前鳥居が建立され、境内には砥川型と塩田型の二対の狛犬が入母屋造りの拝殿と流造の本殿を守護しています。

相殿神として天照大神、大国主神、仁徳天皇、八天狗の神、五十猛神、猿田彦神外十一柱が祭祀されており、明治の神社合祀の名残が残ります。

神社遠景。

境内入口に奉納された肥前鳥居。

笠木と島木、貫も柱も三本継ぎ、島木と笠木が一体化して流線形になっていて、しっかりと肥前鳥居の特徴が現れています。

「八幡宮」の神額が掛かります。

肥前鳥居の左側には「元郷社 新庄八幡神社」の社号表が建立されています。

肥前鳥居の右側に設置されている案内板。

新庄八幡神社の祭祀沿革について
 本社は、應神天皇・仲哀天皇・神功皇后・比賣大神・春日大明神の五柱を奉祀してあります。又、安徳天皇の養和元年(一一八一年)大分宇佐八幡宮の分霊を勧請されて五社八幡宮とも言い伝えられております。
 古く文応(一二六〇年)、弘長(一二六一年)の頃 異賊の襲来に備え最明寺北条時頼公西国巡視の砌、当地で不慮の病に罹り重体のとき当社に祈願したところ不思議なご利益を得たのでその霊験に感じて社領を奉納し、御家人を置いて後の世まで奉祀させたといわれています。
 時は流れて弘治、永禄(一五五五年~一五五八年)年間に豊後の大友軍が佐嘉に侵入し社殿を焼棄しました。
 鍋島藩祖直茂公は元亀元年(一五七〇年)竜造寺家の武将だった頃、大挙して今山に陣を張った大友勢を夜襲の道中、東新庄勝楽寺に於いて旗竿用意の上、本社に親しく参詣して戦勝を祈願し、当社の梵鐘を陣鐘に使用し、首尾よく大勝を博し主君の危急を救った戦史は有名であります。
 この戦勝(請願成就)をして天正年間(一五七三年)に再建したのが現在の祠と伝えられています。
 その後、文禄元年(一五九二年)太閤秀吉の命令にもとづき朝鮮出陣の砌も今山陣の吉例にならい自ら社頭に祈願をこめ、目出度く凱旋するや、慶長四年(一五九九年)正月十八日社嶺一町歩余を寄進し、御能を奉納して御願成就の神事を厳かに執り行い、以後毎年同じ日に名代を遣わし、賽物を奉納することを慣しとし、明治三年の廃藩まで続けられたそうです。
 廃藩置県後、明治政府は同六年に郷社に列し、同三十九年には氏子地区内の数社を合祀した。かくて、当社祭典は長い間、公費により執り行われて来たが、大東亜戦争に敗れ、昭和二十二年、新憲法の施行と共にその管理運営は総べて氏子(大字森田、大字八戸溝)の手に委ねられ今日に至っています。

御祭神  應神天皇、仲哀天皇、神功皇后、比賣大神、春日大明神
     五穀豊穣、家内安全、商売繁盛、諸願成就、災害除去の守神
併祀の神 天照大神、大国主神、仁徳天皇、八天狗の神、五十猛神、
     猿田彦神外十一柱の神々
氏子   現在の東新庄、森田、西新庄、江里、江頭、八戸溝、開成、角目、神園
境内社  稲荷神社(稲倉鬼神)、厳島神社(三女神)

右の神池の中の島には厳島神社が祭祀されています。

手水舎。

御堂。

銅板葺き入母屋造りの拝殿。

最初に迎えてくれたのは砥川型の岩乗り狛犬。

残念ながら造立年代等は不明です。

神馬。

二対目は塩田型の狛犬です。

左の台座に「藤津郡塩田町塩吹 石工 渕野佐平」、右の台座には「大正十一年十月」の刻銘が入ります。

拝殿の中の様子。

色褪が見えますので、おそらく天井画はそのままの状態で残されているようです。

流造の本殿。

正一位新庄稲荷大明神。

境内西側に祭祀された石祠群。

境内東側に祭祀されている石祠群。

境内の様子。

古くは文応・弘長の頃、北条時頼公が西国巡回の際この地で病気になり重体となったそうですが、このお社に祈願をこめると治ったということから神殿を再興したそうです。

その後も御家人を置いて後の世まで奉祀させたそうですが、弘治・永禄の頃に佐賀に侵入した大友軍によって社殿は焼却されたそうで、現在の社殿は天正年間に再建されたとのことです。

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