こちらの丹生神社は嬉野市役所塩田庁舎の西方1.5kmほど、塩田小学校からは西に200mほどの距離、佐賀県嬉野市塩田町大字馬場下字宮ノ元地区に鎮座されております。
国道498号線の「嬉野市役所前」交差点を西へ、県道28号嬉野塩田線を嬉野市方面に向かうと、右手には鬱蒼とした木が茂る小高い山が続きますが、2kmほど行くとやがて鎮守の森らしきものが見えてきます。
ひょっとして神社ではないかと目を凝らしながら近づくと、少し開けた奥の景色が一瞬で神社色に染まります。
やっぱり神社でしたw
最近は鳥居を見なくても、景色や雰囲気だけでも神社が見つけられるようになりました。これも神社巡りを続けてきたからなのかもしれないと思うとなんだかおかしくなりますw
歩道は広めで、その横を流れる小川に架かる太鼓橋の神橋を渡ると一の鳥居、その先の二つ目の神橋の次に二の鳥居が奉納され、三の鳥居をくぐった先の境内に向拝付きの入母屋造りの拝殿と本殿が建立されています。
拝殿前には嘉永元年九月生まれの狛犬が奉納されていますが、阿吽ともにお腹や背中に仔狛が張り付いているのを見るとホッコリした気持ちになります。また、拝殿の天井絵も色褪せは進んでいるものの見ごたえ充分です。御祭神は水神罔象女神です。
参道入口の前を流れる小川に架かる太鼓橋の神橋。
参道入口に立つ一の台輪鳥居。
鳥居に掛かる神額には「正一位丹生神社」とあります。
一の鳥居をくぐると二つ目の神橋が。
境内入口に二の台輪鳥居が立ちます。
二の鳥居には「正一位丹生大明神社」の神額が掛かります。
鎮座地 佐賀県嬉野市塩田町馬場下甲3657-3
御祭神 罔象女神
御由緒 馬場下宮ノ元に罔象女神を御祭神とする丹生神社が有り、塩田川沿いの丹生神社
境内の案内板より
の総本社である。
仁明天皇の御代和銅2年右大臣藤原淡海の奏請により勅使下向社頭を紀伊国高野
丹生山に造営し、水神罔象女神を祀った。仁明天皇承和2年肥前国塩田郷に御遷座
し馬場主殿を神主とし、今日迄に至っている。
往昔は藤津の宗廟として、朝廷の尊崇深く塩田川流域の住民の信仰を厚くした。
手水舎。
拝殿前に立つ三の台輪鳥居。
三の鳥居に掛かる「丹生神社」の神額。
拝殿。入母屋造りの拝殿には千鳥破風様の立派な向拝が付いております。
そして拝殿前には塩田型の狛犬。
この狛犬さん、苔が付着していてわかりにくいのですが、よく見ると阿吽ともに仔狛犬が居るのが分かります。
画像左の吽形の方には、お母さんのお乳を吸っているのか頭をお腹の方に突っ込んでおり、阿形の方にはまるで遊んでくれと言っているかのように背中に絡みつく仔狛犬がいますw
神様を守護するという役目を持つ狛犬なんですが、そこにも狛犬さんたちの日常を持たせたなんとも家族愛を感じさせるような作品でした。
嘉永元年9月生まれの狛犬さんの台座には「石工當邑住人 筒井幸右ェ門 同 岩○○」の刻銘が入ります。
「當邑住人」とありますので、この狛犬さんは九分九厘間違いなく塩田石工の制作したものだということになりますよねw
塩田石工、というよりも筒井幸右ェ門さんの人柄が偲ばれるこの一対の狛犬さんは、私にはとっても印象深い狛犬さんの一つになりました。
向拝下の様子。
鍋島花杏葉の紋幕が掛かり、その上の頭貫の龍の細工が見事です。
拝殿に掛かる「丹生神社」の社号額、そして天井絵。
これまでも天井絵がある拝殿はいくつも見てきましたが、こちらの天井絵はまだ色彩が鮮明でとても綺麗な状態でした。
幣殿と入母屋造りの本殿。
神庫。
社務所。
これは亀でしょうか?それとも牛でしょうか。
御堂。
境内奥の案内板。
御神木。
さて、こちらの丹生神社さんではとても印象に残る狛犬さんと出会うことができました。
やはり制作する石工さんの力量はもちろん、性格やアイデアでも出来上がる狛犬はそれぞれに特徴が現れるようですね。
さあ、次はどんな出会いがあるのでしょうか、また楽しみになって来ました!
それでは今日も最後までご覧いただきありがとうございました。
ランキングに挑戦しています。⇩ポチッとクリックいただければとても励みになります!
コメント