こちらの綿津海社はJR唐津線厳木駅の北東およそ7kmの距離、佐賀県唐津市厳木町広川杉宇土地区の西側に鎮座されます。
国道203号線の牧瀬IC入口交差点を北、厳木小学校前交差点から県道276号七山厳木線を道なりに山あいの道路を北上、山岳信仰の霊山だった作礼山の東方3kmほどにある標高700mの宇土地区の集落入り口に位置します。
道路わきの石垣が積まれた一段高いところに境内があり、石段参道を上がったところに奉納された鳥居をくぐり、さらに七段の石段を上ると入母屋造り妻入りの拝殿が建立されています。
拝殿入り口の格子戸には、風雨や落ち葉などから中を守るためであろうかガラスが嵌め込まれており、その奥の覆屋の中に白っぽい塗料が塗られた木造本殿と肥前狛犬一対が安置されています。
由緒沿革等は不明ですが、綿津海神社の多くが海の守護神の大綿津海神を祭神としていることが多いなか、娘である豊玉姫と玉依姫や豊玉姫の子の阿曇磯良を祀る神社もあります。海を見渡すこともできないこの山奥で海の神を祀るのは考えにくいので、おそらく豊玉姫が祭神であろうと思われます。
ちなみに玄界灘が望める作礼山山頂の作礼神社上宮には、海の神・航海の神として信仰される宗像三女神が祀られています。
社頭。
境内入口に立つ鳥居。
右の柱には「明治三十三歳庚子十二月建之」の刻銘が入ります。
鳥居には「綿津海社」の神額が掛かります。
鳥居が立つ下の境内の様子。
藤の木があり藤棚も設置されています。春になると藤の花が楽しめると思われます。
入母屋造り妻入りの拝殿。
拝殿の中の様子。
拝殿の奥には白っぽい塗料を塗られた木造の本殿が納められています。その両脇には一対の肥前狛犬が奉納されています。
しっかりと施錠してあり、近くで見ることができませんでしたので撮影がワンカットしかありませんし、画像を大きくしたので画質が粗くなってしまいました。
前肢の間が刳り抜かれているのを見ると、おそらく後期に製作されたものではないかと思われます。
本殿覆屋。
石塔と石祠。
手水鉢。
神社の雰囲気から、「ひょっとしたら肥前ちゃんがいるかも!」と思っていたので、社殿の中に狛犬が安置されたのを見たときにはとても嬉しかったです。
近くで見ることができなかったのは残念ですけど、格子戸越しに見ることはできました。
最近は盗難を避けるために見れないところに格納されているところが多いので、これはこれで嬉しいものですね。
それでは今日も最後までご覧いただきありがとうございました。
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