こちらの沖祗大明神は、JR長崎本線久保田駅の南東およそ4kmほどの距離、佐賀県佐賀市久保田町大字新田大立野北地区の東の町外れに鎮座されます。
県道48号佐賀外環状線の横江公民館前交差点から東へ1.5kmほど、最後は民家が密集する細い路地を進んだ嘉瀬川の土手の横に位置しています。
境内には2基の鳥居が建立されており、社殿はなく大正13年生まれの恐竜型の砥川型岩乗り狛犬が玉垣に囲まれた本殿石祠を守護しております。
社頭。
一の台輪鳥居。
鳥居には「沖祗大明神」の神額が掛かります。
「大正十三年八月朔」の刻銘が入ります。
二の台輪鳥居。
二の鳥居にも「沖祗大明神」の神額が掛かります。
左の柱には「五穀豊穣海上無難村中安全 石工新兵エ」、右の柱には「維持文政三年庚辰八月吉祥日施主邑中」建立の刻銘が入ります。
境内の東に建立された本殿。
そして本殿前には砥川型の岩狛さんが守護しております。
恐竜型の岩狛さんには、「大正十三年八月朔 佐賀市八戸町 平川清 彫刻」の刻銘が入ります。
建立年月日を見ると、どうやら一の鳥居と日を同じくして建立されたようです。
本殿石祠。
改築記念碑。
当社ノ口碑ヲ按ズルニ今ヲ去ル三百有餘年慶長ノ頃、一老漁夫日々今ノ神社ノ辺ニ舟ヲ繋ギ上陸ヲ常トセシガ海汐芦ノ中ニ不思議光ナルヲ看ル之正シク我信仰スル沖嶋ノ神霊此地ニ降臨マシマスモノト信ジ時ノ領主龍造寺政家公巡視ノ際言上セリ公モ深ク喜ビ給イ此ノ地ヲトシ神社ヲ建立シ沖祗大明神卜崇メ奉ル当社ノ祭神ハ大海津見命ニシテ慶長十一年(1606)八月朔日蒲主政家公ノ勧請ニシテ代々領主大祭ニハ代奏ヲ立テラレシ亦郷里ノ尊慕特ニ厚ク漁業者ハ御神ノ霊験新ナルニ感銘シ毎年旧四月二十五日ニ恒例祭ヲ行ヒ大漁ヲ祈願シ今ニ至ル
境内の「改築記念碑」より抜粋
どうやら大正13年8月に社が再建されたようですね。どうりで一の鳥居と狛犬の建立年が同じだったわけです。祭神は大海津見命とあります。
戦前は、毎年八朔(旧暦の8月1日)のお祭りのときには、氏子さんたちが御神体を水で洗い浄め、そのあとは舞台で忠臣蔵の芝居が上演されていたそうです。
時の流れには抗えませんが、こうした伝統や行事が失われていくというのはなんだか寂しいものですね。
それでは今日も最後までご覧いただきありがとうございました。
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