こちらの鏡神社はJR筑肥線東唐津駅から、南東におよそ1.3km離れた佐賀県唐津市鏡山添地区に鎮座されます。
国道202号線「唐津市瀬田原」交差点から福岡方面に進み、松浦川に架かる「唐津大橋」を渡ると右手にそびえる唐津市の観光名所「鏡山」の西麓に広がる街なかに位置しています。
一の宮と二の宮からなり、古くから松浦地方(現在の糸島~長崎)の総社として尊崇され、松浦三社の一位として歴代唐津藩主が第一に参拝する祈願所として定められていたとされます。
境内には三対の狛犬が奉納されていますが、「子育て狛犬」として境内入口に奉納されている狛犬は、その風貌や尻尾を見るとまさにトラで、お腹の下の方では子どものトラが顔をのぞかせ心を和ませてくれます。
源氏物語の作中では松浦の宮と語られ、紫式部集にも鏡神社を詠んだ歌があり、境内に「紫式部文学碑」として石碑が置かれています。
創立は一の宮が仲哀天皇九年、二の宮が天平十七年、御祭神はそれぞれ息長足姫命(神功皇后)と奈良時代の公卿の太宰少貳藤原廣嗣朝臣。楊柳観音菩薩を始め立神祠や地蔵なども祭祀されており、神仏習合の名残が色濃く残る古社です。

街なかを南北に通る道路沿いに建てられた社号が書かれた案内板。

注連柱。

参道入口に建立された白塗りの明神鳥居。

境内入口に建立されている二の鳥居。

二の鳥居には「鏡宮」の神額が掛かる。

案内板。
由緒記
鎮座地 佐賀県唐津市鏡宮の原
神社名 鏡神社(旧県社)旧称、鏡宮、松浦宮、鏡尊廟、松浦廟宮、板櫃社
祭神 一の宮 息長足姫命(神功皇后)
二の宮 太宰少貳藤原廣嗣朝臣
創立 一の宮 仲哀天皇御宇(西暦200年ごろ)、二の宮 天平十七年(西暦七四五年)
一の宮、神功皇后三韓征伐の御時、松浦郡に至り、七面山(今鏡山)山頂に於て宝鏡を捧げて天地地祇を祭り、異国降伏を祈らせ給いしが、その後、宝鏡霊光を発す。よって、御凱旋の際、その宝鏡を採り、自らに生霊をこめて、この社に鎮り給う。
二の宮、廣嗣朝臣僧玄昉等の奸人を除かんとして、兵を挙げしが、事成らずして松浦郡に薨ず。その後霊威しばしば顕れ災害頻りに起るをもって、肥前の国守吉備真備勅を請うて、鏡並びに無夘寺(今浜玉町大村神社)両所に廟を建立し、公の霊をば祭れり。時に天平勝宝2年、この宮創立の肇めなり。境内八町四方輪奐の美を極め、従って官庶の崇敬浅からず。史跡歌書等に載せられたるは少なからず。
中世草野大宮司と称し、武威を近郷に張り、所謂、草野氏をなせり。草野氏滅亡と共に、社運衰退したりといえども、唐津藩主、初代寺澤氏以来、歴代祈願社として尊崇せり。惜しむらくは明和7年一の宮炎上し、宝物旧記灰燼に帰し、詳細を知る由もなし。

境内入口に掲げられた「子育て狛犬」の看板。
狛犬ならぬ狛虎。
その風貌と尻尾を見るとまさにトラです。
お腹を見ると仔虎が顔を出しており、まさに子育てをしている狛虎さんです。
刻銘を見ると昭和十四年三月の造立されています。

向かって左側の手水舎。

向かって右側の手水舎。

こちらの手水舎は安産長寿の霊水と書かれています。
神功皇后が陣痛で苦しまれていた時、林の中に湧き出る水を飲んだら体調が回復され、無事に安産されたことで安産長寿の霊水と語り継がれているようです。

三の鳥居。

こちらは「鏡神社」の神額が掛かります。
二対目は唐津型の岩乗り狛犬。
左の台座に「有浦村 石工 徳永□□□」、右の台座に「昭和六年十月吉日」の刻銘が入ります。
三対目も唐津型の蹲踞の狛犬。
「大正七年一月」の刻銘が入ります。

境内の様子。

社務所。

一の宮。
常夜灯。
左の柱には「文政十三庚寅年十月」、右の柱には「安政三丙辰歳十二月」の刻銘が入ります。

記念碑。

絵馬が掛けられ、おみくじが結ばれています。

銅板葺唐破風付き入母屋造妻入りの拝殿。

拝殿の中の様子。
銅板葺流造の本殿。

一の宮浦にある龍神池。

二の宮。
瓦葺入母屋造妻入向拝付きの拝殿。

向拝下の様子。

拝殿の中の様子。
銅板葺き流造の本殿。

子宝安産の御神木。
幹の部分がまるで妊婦さんのお腹のように大きく膨れ上がったクスノキは、子宝や安産祈願のパワースポットとしても有名のようです。

五宝檜。
境内のちょうど中心にあり、一本の檜の株から四本の幹が分かれていることから「五宝檜」と呼ばれ、五つの宝を授けて下さると言い伝わっています。

板地蔵。地蔵様が彫られた石祠が並んでいます。

立神祠。
霊験あらたかな神様として広く知られ厚い信仰の神様で、仏教色の強い神様であろうと言われています。

社殿横に建立されている紫式部の歌碑。

こちらは神輿の御旅神幸の際の神聖な場所とされているようです。
神社の南側の芝生広場にあります。

同じく神社南側の芝生広場奥にある土俵。

土俵の北側にある梅苑。約200本の梅の木があるようです。
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